文楽(人形浄瑠璃)天変斯止嵐后晴てんぺすとあらしのちはれ 於・国立劇場 2009/9/15



あらすじ
嵐で流された一艘の御座船。船に乗っていた筑紫大領一行は南海の孤島に漂着した。一行は森をさまよい、大領の息子・春太郎は島の娘・美登里と出会い、恋に落ちる。しかし、すべての出来事は、大領によって国を追われた阿蘇左衛門の壮大な復讐だった。

妖精や魔法が登場するロマンス劇「テンペスト」・・・このシェイクスピア最後の大作を、中世日本に置き換えて翻案した新作文楽に驚き、興味をそそられました。作曲では琴の他に半琴や十七弦など様々な音色の琴を使用していて、物語の効果を一層盛り上げていました。


国立劇場(小劇場)夜の部で提灯の明かりが幻想的でした

9月の文楽公演目録

第一 暴風雨 太棹三味線と17弦のダイナミックな演奏により嵐の激しさと、妖術の不気味さを表現していました 阿蘇左衛門藤則の術によって、大海原が暴風雨に見舞われる様子を黒子の人形操りが巧みで驚きました
第二 窟の中 父左得門の一心に祈り人々を苦しめる姿に、娘美登里は「優しい父とは違う」と止めるが父は「これには訳がある」といって、森に花摘みに行くように勧める 第三 浜辺 島の浜辺に3人の武士が打ち上げられた 筑紫の大領秋実とその忠臣・日田権左衛門と阿蘇の城主・刑部景
隆 息子を嵐で失って悲しむ大領を慰めている
第四 森の中 森で花を摘んでいた美登里は死んだと思われていた大領の息子春太郎に出会い、お互いに一目惚れする 第六 元の森の中 酒に酔った茶坊主珍才と泥亀丸は気が合い島の主になるよう悪だくみする
第七 元の窟の中 左衛門は春太郎を見込み、恨みを忘れ娘美登里と一緒になることを許す 妖精たちはお祝に踊って見せる 大領がかっての所領を返すというと左衛門はその礼に美登里と春太郎の仲良い姿を見せ、お互い死んだと思った親子は嬉し涙を流す 左衛門は二度と使うことはないと方術の書を火にくべる 一同はこの島から帰国することになるのでした
                                          
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