国立劇場11月歌舞伎 外郎売」ういろううり 傾城反魂香」けいせいはんごんこう 「大津絵道成寺」おおつえどうじょうじ  2009/11/24

  ≪感想≫ 11月歌舞伎公演(古典歌舞伎の名作3作品)を11/24日に堪能してきました。
@歌舞伎十八番の一つで明るく軽快な「外郎売」、團十郎さんの早口言葉に感心しました。良く口が回り覚えられたものです。
  白血病の再発から復帰されての公演だけに胸にぐっとくるものがありました。
A夫婦愛と芸術家魂描く義太夫狂言の名作「傾城反魂香」・・團十郎さんの又平、藤十郎さんのおとくがいい味を出していました。
B華麗な変化舞踊の大曲「大津絵道成寺」 藤十郎さんの五変化が素晴らしく、歌舞伎の醍醐味に溢れた三作品でした。

あらすじ
「外郎売」・・・小田原名物の妙薬「外郎」、これを売り歩く行商の「外郎売に変装した曾我五朗が、大磯の廓で父の仇・工藤祐経に対面する一幕。外郎の効能を早口言葉を使って弁舌爽やかに披露する五朗の言い立てがこの作品の」大きな見どころ。
「傾城反魂香」・・・近松門左衛門の義太夫狂言で時代ものの名作。「土佐将監閑居の場」は名場面として人気の高い一幕です。
大津絵を描きながら貧しく暮らしてきた絵師・浮世又平。妻おとくの健気な内助の働きも空しく、彼は師匠に認められず、土佐の名字を許されません。しかし又平が決死の覚悟で手水鉢に描いた自画像に思わぬ奇跡が起きました。お喋りな女房と口下手な夫、対照的な夫婦のやり取りが心温まる感動を生み出します。藤十郎のおとくに団十郎の又平という待望の顔合わせ。この狂言での東西両優の顔合わせは東京でははじめてとか。
「大津絵道成寺」・・大津絵の人物が絵から抜け出し、琵琶湖畔の鐘供養に現れるという趣向で、名曲「京鹿子娘道成寺」を下敷きに巧みに構成した作品。常磐津長唄の掛け合いによる豪華な演奏で、藤十郎が鮮やかに、藤娘、鷹匠,座頭、船頭、鬼の五役を次々と踊り分ける。


国立劇場大劇場、お昼12:00〜4:30の部観劇

鏡獅子

三作品のパンフ

三作品の浮世絵(役者絵)

「傾城反魂香」おとくと又平

大津絵道成寺」の藤娘

外郎売の言い立て
「…・菊、栗、きく、くり三菊栗、合わせて菊、栗、六菊栗。麦、ごみ、むぎ、ごみ、三むぎごみ、合わせてむぎ、ごみ、六むぎごみ。
あの長押しの長薙刀は、誰が長薙刀ぞ。 向うの胡麻からは、荏のごまがらか、真ごまがらか、あれこそほんの真胡麻殻。
がらぴい、がらぴい風車、おきゃがれこぼし、おきゃがれ小法師、ゆんべもこぼして、又こぼした。
たあぷぽぽ、たあぷぽぽ、ちりから、ちりから、つったっぽ、たっぽたっぽ一丁だこ、落ちたら煮て食お、煮ても焼いても食われぬ
ものは、五徳、鉄灸、かな熊童子に、石熊、石持、虎熊、虎鱚、中にも、東寺の羅生門には、茨木童子がうで栗五合つかんで
おむしゃる、かの頼光のひざもと去らず・・・・・」

団十郎さんが以上の早口言葉を凄い速さで語る様は迫力がありました。皆さんも早口を試してみて下さい。


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